主な工法と特徴
このページは、注文住宅を建てる際の工法の種類について紹介しています。これから家を建てようと思っている人は参考にしてみてください。
工法は大きく分けて4つ
住宅の工法は、大きく分けると、RC造、プレハブ工法、ツーバイフォー工法、木造の4つに分けることができます。それぞれの特徴について見ていきましょう。
RC造
RC造とは、鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)住宅の略。コンクリートの住宅で、柱や梁といった主要構造部には鉄筋が仕様されているのが特徴です。この工法は、マンションやビルといった建物によく見られる構造ですが、最近では一般住宅でも多く見られます。
メリット
- 耐久性が高い
RC造は、圧縮力に強いコンクリートと引張力に強い鉄筋とを組み合わせているため、耐久性が高くなっています。法定耐用年数も、木造が約20年、鉄骨が30年前後になっているのに対し、RC造は約50年とされています。 - 断熱・気密性能が高い
コンクリートは隙間がないため、気密性が高く、発泡断熱材を使ったRC造の住宅は、床や天井付近の温度差が少ないのが特徴。そのため、冷暖房の効率がアップし、省エネ効果が期待できます。
デメリット
- 建築費用が高くなりやすい
木造住宅に比べると、建築にかかる費用が高くなってしまいます。元々、RC造の住宅を希望していた人でも費用面の問題から諦めてしまう人も少なくないようです。 - 重量が重い
コンクリートや鉄筋と言った材料を使うため、建物自体の重さが大きくなってしまいます。そのため、建てるためには強固な地盤が必要となり、場合によっては地盤改良を行わなければなりません。
プレハブ工法
この工法は、構造体や床、壁、窓といった建物の部分を事前に工場で作り、それらを現場に持ち込んで組み立てる建築方法のことを言います。
メリット
- 品質が安定する
部材を工場で生産するため、品質を一定に保つことが可能。木造住宅の場合は、大工などの職人の技術力に左右されることが多くなりますが、プレハブ工法では、そのようなリスクが少なくなります。 - 短い工期で建築可能
建築現場では、工場から運ばれてきた部材を組み立てるだけなので、非常に工期が短くてすみます。また、完成後の改修やリフォームも簡単なので、メンテナンスの面でも有利です。そのため、災害時の仮設住宅には、このプレハブ工法がよく取り入れられています。
デメリット
- デザイン選びが不自由
部材が規格化されているため、自分の思い描くデザインに自由に対応してもらうことが困難で、工務店が持っているデザインや間取りの中から選択しなくてはなりません。デザインにこだわりを持って家を建てたい人には不向きな工法と言えます。 - 耐火性が不安
木造住宅に比べ、プレハブ工法では厚みの薄い軽量鉄骨が使われているので、耐火性や耐久性に不安が残ります。
ツーバイフォー工法
ツーバイフォー工法(2×4工法)とは元々、アメリカを中心に普及した工法。2インチ×4インチという角材のサイズを基準に、2×6、2×8など複数の種類の大きさを組み合わせて住宅を造っていきます。結合は、主に釘と金物を用いるため、比較的、大工のような経験や技術を必要としなくても建てられるのが特徴です。
メリット
- 品質が安定する
使われる角材の規格が統一されているのはもちろん、釘の大きさや打ち込む間隔まで細かく決められているため、職人の技術力に左右されにくいのがポイント。そのため、安定した品質の住宅を建てることができます。 - 耐震性が高い
ツーバイフォー工法は別名、木造枠組壁構法とも呼ばれるように、壁と床という面によって住宅全体を支える工法。それに比べ、日本で昔から伝わってきた木造軸組構法は、梁や柱によって支えています。そのため、木造軸組構法に比べるとツーバイフォー工法の方が揺れが少なく、耐震性に優れているということができます。
デメリット
- 間取りの変更が困難
この工法は、壁によって支えられる工法であるため、リフォームで壁を抜いてキッチンとダイニングを一緒にするといった間取りの変更が難しいのがデメリットです。将来的に間取りを変えたい人にはどちらかというと不向きです。
木造
木造住宅は、国内の住宅の中でも過半数を占める日本人には馴染みのある構造。化学物質に敏感な人や、家族の中に体が弱い人がいる場合に最適な工法だと言えます。
メリット
- 建築コストを抑えることができる
一般的に内装のグレードを含めて比較した時、コンクリート、軽量鉄骨造、木造の順に建設費が高くなります。最近では、工場であらかじめ材料をキットして、現場の建築コストを効率化した木造が増えているため、木造の安さが際立っています。 - 設計の自由度が高い
木造住宅の場合、オーダーメイドで設計し建築するのが一般的です。そのため、自分の好きなようなデザインや間取りなどにすることができます。また、建てる敷地にあった住宅を建築できるのも魅力です。
デメリット
- 耐用年数が短い
鉄骨造は、鉄骨が腐食しない限り強度を保つことができるため、かなり長い期間、状態を維持することができますが、木材は自然素材のため、耐用年数が短くなってしまうケースがほとんど。法定耐用年数も約20年に設定されています。 - 鉄骨に比べると耐震性が低い
木造住宅でもある程度の耐震性がありますが、鉄骨系の住宅に比べると劣ります。耐震性を重視したい人にはおすすめできないかも知れません。